
THIS WORK
この作品を、どう辿りますか。

あらすじ
足軽の娘おなつは、洪水で父と兄を失い、母の療養費のため借金を背負って河岸っぷちの家に身を置く。心まで売るまいと耐えていた彼女は、堅物の侍・北原精之助をめぐる賭けに巻き込まれる。
しかし、精之助の誠実さに触れたとき、初めの偽りは本物の愛へ変わってゆく。愛されたからこそ、彼女は自分を許せなかった。雨の夜から雪の朝へ、山本周五郎らしい人間の矜持と哀しみがにじむ一篇です。
登場人物
- おなつ:本作の主人公。足軽の娘。苦境に落ちながらも、心の清さと矜持を手放さない。
- 北原精之助:大寄合の家柄の侍。堅物で誠実な青年。おなつの本質を見抜く。
- おてつ:河岸っぷちの家「みよし」の女あるじ。おなつを置く。
- 伊代:北原家の老女。家政を取り仕切り、おなつを静かに見守る。
- 三枝内記夫妻:精之助の叔父夫婦。おなつに家族の温かさを感じさせる。
- いね:猿山温泉宿「むろい」の女将。後半のおなつを支える。
- 鷹二郎:おなつと精之助の子。別れののちに残された小さな命。
用語集
- 河岸っぷち:太田川沿いの下層の歓楽地。おなつが身を置く場所。
- みよし:おなつが暮らす河岸っぷちの家。
- 年季証文:借金や奉公の契約を示す証文。おなつの自由を左右する。
- 大寄合:藩内の上級家臣層。北原家の格を示す。
- 猿山:後半の舞台となる山あいの温泉地。
- むろい:猿山の温泉宿。おなつが新しい暮らしを始める場所。
物語を巡る
— 八つのビジュアルで『契りきぬ』の核心へ —
物語を聴く
— 声で『契りきぬ』を辿る —
唄本を聴く
— 主題歌で『契りきぬ』の余韻を聴く —
物語を辿る
— 場面の余韻で『契りきぬ』を辿る —
一の一 河岸っぷちの夢と、失われた故郷
暗い部屋で孤独を抱えるおなつの姿。

一の二 七両二分の賭け
雨の午後、賭け話を耳にするおなつの葛藤。

一の三 雨の柳、精之助との出会い
雨の夜、精之助の傘に救いを求める出会い。

二の一 北原家、静かな庇護
北原家で静かに受け入れられてゆくおなつ。

二の二 飾らぬ美しさと、揺れる心
行灯のそばで向き合うおなつと精之助。

三の一 三枝夫妻の来訪
家族的な温かさの中で、おなつが受け入れられる予感。

三の二 期限の夜、雨の酒
雨の夜の廊下に漂う、決定的な時間の気配。

四の一 証文と逃亡
障子と灯りの影に隠れるような、別れ前夜の沈黙。

四の二 猿山の母子
猿山の宿で幼子と静かに暮らすおなつ。

四の三 雪の別れ、父の背中
雪の山里で、父の背を見送る母子。

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