朗読作品

永楽銭の謎

野村胡堂 →
投げ銭の名手・銭形平次に、投げ銭による襲撃と殺人の嫌疑がかかる。永楽銭と煙草入れ――揃いすぎた証拠の裏を、平次の観察眼が崩していく。
銭形平次と永楽銭を配し、「証拠が揃いすぎている」と訴求する『永楽銭の謎』代表画像

THIS WORK

この作品を、どう辿りますか。

あらすじ

石原の利助が何者かに眼を狙われ、現場には一枚の永楽銭が残されていた。遠くから銭を投げ、正確に人を狙える者として真っ先に疑われたのは、投げ銭の名手・銭形平次だった。

さらに、かつて平次と因縁のあった男が殺され、その近くから平次自身の煙草入れまで見つかる。永楽銭、過去の因縁、煙草入れ――証拠はあまりにも完璧に平次を指していた。

しかし平次は、現場そのものを見つめ直す。証拠があるから犯人なのか。それとも、犯人に見せるために証拠が置かれたのか。自らの潔白を懸け、平次は“揃いすぎた証拠”の綻びを追う。

登場人物

  • 銭形平次 — 投げ銭の名手として知られる御用聞。自分の代名詞を利用され、下手人の疑いを受ける。
  • 石原の利助 — 平次と同じ御用聞。眼を狙われたことで、平次への疑いを深める。
  • お品 — 利助の娘。父とは異なり、平次の潔白を信じている。
  • 徳三郎 — 利助が身柄を預かっていた若者。平次のもとで御用聞の修業を始める。
  • お静 — 平次の妻。事件の魔手が家庭へ及ぶ局面で重要な役割を担う。
  • お勢 — 過去の事件で平次と因縁を持つ美女。柳橋で小唄の師匠をしていると語る。
  • 弥助 — 元髪結の遊び人。かつてお静を巡って平次と張り合った男。
  • 笹野新三郎 — 八丁堀の与力。証拠が平次を指す中で、その人柄と役目の間で苦悩する。
  • 八五郎(ガラッ八) — 平次の子分。終盤で平次の仕掛けに力を貸す。

用語集

永楽銭(えいらくせん)永楽通宝。作中では平次を疑わせる象徴的な証拠として現れる。
籠枕(かごまくら)竹などで作られた、通気性のよい枕。
眇目(すがめ)作中では眼を傷つけられ、視力を損なう意味合いで使われる。
富籤(とみくじ)寺社などで行われた富くじ。
巳刻(みのこく)作中では午前十時ごろ。
戌刻(いぬのこく)作中では午後八時ごろ。
匕首(あいくち)鍔のない短刀。
鳥刺し(とりさし)長い竿と鳥黐などを用いて鳥を捕らえる者。
鳥黐(とりもち)鳥を捕えるために用いる粘着性のあるもの。
羅宇(らう)煙管の管の部分。

物語を巡る

— 8枚のビジュアルから『永楽銭の謎』の核心へ —

物語を辿る

場面を物語順に追いながら、平次を包囲していく「揃いすぎた証拠」と、その綻びを辿ります。

利助を襲った永楽銭

負傷した石原の利助を見舞い、現場に残った永楽銭へ疑念を向ける銭形平次。
利助を襲った永楽銭

負傷した石原の利助を見舞い、現場に残った永楽銭へ疑念を向ける銭形平次。

両国橋のお品

夕暮れの両国橋で、お品が父・利助の疑念と徳三郎の役目を平次へ打ち明ける。
両国橋のお品

夕暮れの両国橋で、お品が父・利助の疑念と徳三郎の役目を平次へ打ち明ける。

夕陽のお勢

夕陽の橋上で、因縁を持つお勢が平次の前に姿を現す。
夕陽のお勢

夕陽の橋上で、因縁を持つお勢が平次の前に姿を現す。

平次が殺人犯に?

笹野新三郎の前に、永楽銭と平次の煙草入れという不利な証拠が並ぶ。
平次が殺人犯に?

笹野新三郎の前に、永楽銭と平次の煙草入れという不利な証拠が並ぶ。

朽ちた庇

平次が現場の朽ちた庇を調べ、犯人が屋根を渡ったという筋書きの矛盾を見抜く。
朽ちた庇

平次が現場の朽ちた庇を調べ、犯人が屋根を渡ったという筋書きの矛盾を見抜く。

お勢の忠告

夕闇の河岸で、お勢が煙草入れを巡る不穏な言葉を平次へ投げかける。
お勢の忠告

夕闇の河岸で、お勢が煙草入れを巡る不穏な言葉を平次へ投げかける。

お静が狙われる

夜の勝手口でお静が襲われ、事件の脅威が平次の家庭にまで及ぶ。
お静が狙われる

夜の勝手口でお静が襲われ、事件の脅威が平次の家庭にまで及ぶ。

平次の罠

平次は自らを囮にし、八五郎とともに闇に潜む仕掛け人を誘い出す。
平次の罠

平次は自らを囮にし、八五郎とともに闇に潜む仕掛け人を誘い出す。

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