企画

新書太閤記 第十巻

吉川英治『新書太閤記』第十巻を、30節の案内と編集人ゴンのコメントから辿る公式巻別サブサイト。
新書太閤記 第10巻 公式ビジュアル

SECTION 01

初花

本能寺からわずか一年、秀吉は明智・柴田を退け、天下の中心人物へ急浮上します。

編集人ゴンの一言

第十巻は、戦国武将・秀吉から『天下を治める人』への転換が本格化する巻です。

SECTION 02

予譲の車

戦後処理は続き、京都でも秀吉の裁決を待つ問題が山積します。

編集人ゴンの一言

勝った後の仕事量こそ、天下人の実務です。

新書太閤記 第十巻 大坂築城 設計図を囲む軍議
大坂築城――城を建てることは、新しい政権の中心を設計することでもある。

SECTION 03

大坂築城

秀吉は大坂築城と五畿経営に着手し、新たな政治と経済の中心を作ろうとします。

編集人ゴンの一言

大坂城は単なる城ではなく、新しい政権都市の構想そのものです。

SECTION 04

中庸

家康は急激に動く秀吉とは対照的に、得たものを着実に固めながら機を待ちます。

編集人ゴンの一言

秀吉と家康の性格差が、政治姿勢の差として見えてきます。

SECTION 05

九年母

家康と近臣の会話を通じ、徳川家中の空気と将来への備えが描かれます。

編集人ゴンの一言

派手な動きがなくても、家康は常に次を考えています。

SECTION 06

同憂

三法師を中心とする織田家の体制が続く中、旧臣たちの不安と利害が重なります。

編集人ゴンの一言

形式上の織田家と、実権を握る秀吉。その二重構造が続いています。

SECTION 07

名門禍

織田信雄の不安定な判断が、家康との連携と秀吉への対立を深めます。

編集人ゴンの一言

名門の血筋だけでは政治は動かせない、という厳しさが出ます。

新書太閤記 第十巻 小牧の序 人物間の緊張
小牧の序――戦が始まる前から、人と人の判断が天下の配置を変えていく。

SECTION 08

小牧の序

秀吉と信雄・家康の対立がついに軍事衝突へ向かい、小牧の戦いの序幕が開きます。

編集人ゴンの一言

賤ヶ岳の次は家康。相手の質がまったく違います。

SECTION 09

泣虫甚内

大坂の若い家臣たちを通じ、秀吉政権の新興勢力が動き始めます。

編集人ゴンの一言

新しい政権は、新しい世代の人材で動いています。

SECTION 10

構想

伊賀上野をめぐる事件をきっかけに、秀吉と織田・徳川側の対立が公然化します。

編集人ゴンの一言

個別事件が、いつの間にか天下規模の開戦理由になります。

新書太閤記 第十巻 花ふた色 城下へ進む軍勢
花・ふた色――城と街道、軍勢と民。戦は土地そのものを舞台に広がっていく。

SECTION 11

花・ふた色

関ヶ原周辺の街道と土地を背景に、両陣営の人と情報が行き交います。

編集人ゴンの一言

後の関ヶ原を知る読者には、地理そのものが意味深く見える節です。

SECTION 12

静夜騒客

戦の裏側で、絵師や尼僧ら文化人の世界が描かれ、静かな夜に人間模様が広がります。

編集人ゴンの一言

大戦の最中にも、文化と記憶を残す仕事は続きます。

SECTION 13

さすらい人

尾張・美濃一帯の地勢が俯瞰され、戦場となる土地の構造が示されます。

編集人ゴンの一言

地図と合わせて読むと、戦いの配置が一気に分かりやすくなります。

SECTION 14

去就

木曾川流域の諸城では、どちらにつくかの判断が迫られます。

編集人ゴンの一言

戦国の国衆にとって『去就』は生死を分ける決断です。

SECTION 15

青さぎ

池田勝入とその子らの人物像が描かれ、秀吉方の重要な戦力として前面に出ます。

編集人ゴンの一言

長久手へ向かう前に、池田家の父子を知っておくと悲劇が深まります。

SECTION 16

のら息子

戦国大名家の家族や養育の記憶が描かれ、戦場外の人間関係が浮かびます。

編集人ゴンの一言

武将の家にも、親子や乳母との記憶があります。

SECTION 17

犬山・陥つ

犬山城をめぐる攻防が動き、秀吉方が尾張へ食い込みます。

編集人ゴンの一言

小牧・長久手は、まず城と川を押さえる戦いです。

SECTION 18

二つの世

家康が清洲で動く一方、秀吉は坂本にいて別の戦略を進めます。

編集人ゴンの一言

同じ戦争を、二人が別々の時間感覚で動かしています。

SECTION 19

地図屏風

秀吉は地図を前に北陸も含めた広域戦略を練り、各方面へ布石を打ちます。

編集人ゴンの一言

地図を見る力が、そのまま天下を見る力になっています。

SECTION 20

小牧山

犬山陥落後、両軍は小牧山周辺へ集まり、正面対峙が始まります。

編集人ゴンの一言

城を取っても、家康は簡単には崩れません。

SECTION 21

小牧の蝶々

春の静かな野に大軍が向かい合い、決戦前の異様な静けさが描かれます。

編集人ゴンの一言

蝶が飛ぶ平和な景色と軍勢の緊張の対比が印象的です。

SECTION 22

病める鬼

秀吉は雑談を交えながら家臣の意見を集め、家康の堅陣をどう崩すか考えます。

編集人ゴンの一言

秀吉の会議は、雑談の形をした情報収集でもあります。

SECTION 23

陣中の一花

池田家の隠密組が動き、敵地での情報収集と連絡が進みます。

編集人ゴンの一言

大軍の裏側では、少人数の秘密任務が戦局を支えています。

SECTION 24

虚実

小牧周辺では大きな戦闘を避けつつ、両軍が虚実を使い分けて揺さぶり合います。

編集人ゴンの一言

家康相手では、正面突破より『読ませ合い』が長く続きます。

SECTION 25

みだれ笹

秀吉の甥・秀次が一軍を率い、若い指揮官として戦局に加わります。

編集人ゴンの一言

後の秀次を知る読者には、ここが重要な若年期です。

SECTION 26

金扇来

長久手周辺で戦闘が激化し、家康の金扇馬印が戦場へ現れます。

編集人ゴンの一言

小牧の膠着から、ついに長久手で決定的な戦闘が起こります。

SECTION 27

薫風陣

家康は落ち着いて陣を整え、諸将を迎えながら戦場を掌握します。

編集人ゴンの一言

家康の強さは、戦場でも慌てないところにあります。

SECTION 28

山つつじ

徳川軍は地形を読み、伏兵と鉄砲・槍隊を細かく配置して迎撃態勢を整えます。

編集人ゴンの一言

地形を使う家康の戦い方がよく見える節です。

SECTION 29

達人眼

戦果を報告する諸将を前に、家康は戦況を冷静に見極めます。

編集人ゴンの一言

達人は勝っている時ほど、浮かれず次を見る。

SECTION 30

龍泉寺川

秀吉は秀次や池田父子の敗報を受け、自らの落度として戦局を受け止めます。

編集人ゴンの一言

敗因を部下だけに押しつけないところに、秀吉の総帥像が出ています。

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SHINSHO CHRONICLE / VOLUME X

新書年代記|第十巻

第十巻は、大坂築城と小牧戦役の展開を通して、秀吉が「戦う者」から「天下を治める者」へ変わる過程を描きます。家康との駆け引きも一層複雑になります。

年代について: 小説内の流れを史実上のおおよその時期に重ねた編集用年代記です。月日を厳密に断定するための史料年表ではありません。

1583-84

大坂築城

軍事拠点であると同時に、政権の象徴となる大坂城の建設が進みます。

1584

小牧の序

織田信雄・徳川家康との対立が軍事衝突へ発展し、尾張・美濃周辺が主戦場になります。

1584

犬山・小牧山

城と地形をめぐる攻防が続き、秀吉・家康双方が相手の出方を読み合います。

1584

虚実の戦

正面決戦を避けつつ、交渉・威圧・情報戦が並行し、天下争いは政治戦へ深まります。