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この作品を、どう辿りますか。

斬奸必殺陣
父の仇、妹の命。若き剣士・櫛淵弥十郎が、幕府を揺るがす秘密と荒太伯一門に挑む。
あらすじ
安永三年三月三日の朝、京橋築地の剣道指南・櫛淵弥兵衛の屋敷が刺客に襲われる。弥兵衛は息子・弥十郎と娘・早苗に二つの黒塗りの手筐を託し、老中・片沼主殿守へ届けるよう命じた。
父を案じて戻った弥十郎は、深手を負った弥兵衛から「き、び、すい」という謎の言葉を聞く。一方、早苗も手筐を狙う一味に捕らえられる。やがて弥十郎は、紀伊・尾張・水戸の御三家を背景にした陰謀と、麹町の剣客・荒太伯の存在を知る。
父の遺志を継ぎ、妹を救い、秘密を守るため、弥十郎はわずかな同志とともに荒太伯邸へ向かう。三人が互いの死角を補って組む「必殺陣」が、雨と桜の夜に動き始める。
登場人物
- 櫛淵弥十郎 — 櫛淵弥兵衛の息子。若年ながら胆力と剣技に優れ、父の遺志を継いで荒太伯へ挑む。
- 櫛淵早苗 — 弥十郎の妹。気丈さと慈悲を併せ持ち、黒塗りの手筐の秘密を守り抜く。
- 櫛淵弥兵衛 — 剣道指南。片沼主殿守から重要な手筐を預かっていた。
- 片沼主殿守 — 老中。弥兵衛と親しく、弥十郎へ事件の背景を明かす。
- 荒太伯 — 麹町に道場を構える剣客。御三家を背景に暗躍する一派の中心人物。
- 松本治助 — 荒太伯の配下だった浪人。早苗の情けを受け、やがて弥十郎へ重要な情報を伝える。
- 岡倉十吉 — 弥兵衛の高弟。弥十郎とともに荒太伯邸へ向かう。
- 芳沢不壮 — 原稿後半で弥兵衛の高弟として登場。原稿前半にも同名表記があり、底本確認を要する。
用語集
- 黒塗りの手筐 — 物語の争奪の中心となる二つの箱。
- 「き、び、すい」 — 作中で紀伊・尾張・水戸を指す暗号として解かれる。
- 御三家 — 尾張・紀伊・水戸の徳川三家。
- 神道無念流 — 荒太伯が属する剣術流派として描かれる。
- 鎖帷子 — 鎖を用いた防具。弥十郎は決戦前、白装束の下に身につける。
- 必殺陣 — 弥十郎と二人の同志が三角に構え、互いの死角を補って戦う陣形。
※将軍継嗣、御三家の陰謀、秘宝などの記述は本作の物語設定として紹介しています。
物語を巡る
— 五つの場面から『斬奸必殺陣』を辿る —
物語を聴く
— 声で『斬奸必殺陣』を辿る —
物語を辿る
父の死から雨中の決戦まで、十の転換点で物語を追います。
1.朝駈け血の雨

早朝、櫛淵邸が襲われる。弥兵衛は弥十郎と早苗へ二つの手筐を託し、片沼主殿守へ届けるよう命じる。
2.よくぞ死んだ

父の最期の言葉「き、び、すい」を携え、弥十郎は片沼邸へ。三つの音が紀伊・尾張・水戸を示すことが明かされ、事件は幕府を巡る陰謀へ広がる。
3.早苗に迫る魔の手

手筐を抱えて逃げる早苗に荒一派の手が迫る。早苗は機転を働かせ、秘密を守ろうとする。
4.暗夜の死闘

片沼主殿守の駕籠を装った囮。桜の夜、弥十郎は荒太伯の高弟たちと対峙し、自らが標的であることを逆手に取る。
5.落花無慙

荒太伯邸へ連れ去られた早苗は、手筐の行方を問われても口を割らない。散る桜の下で、その意志の強さが際立つ。
6.救いの松本

早苗の情けに心を動かされた松本治助が櫛淵邸を訪れ、早苗の居場所を知らせる。剣ではなく慈悲が物語を動かす転換点。
7.二度めの土産

弥十郎は荒太伯の門前へ出向き、正面から挑発する。少年の胆力に、荒太伯もただの若造ではないと認め始める。
8.死装束

片沼主殿守へ決意を告げた弥十郎は、白装束の下に鎖帷子を着込み、帰還を期さぬ覚悟で荒太伯邸へ向かう。
9.斬奸必殺の剣

弥十郎、岡倉十吉、芳沢不壮の三人は互いの死角を補う三角陣を組み、多勢を相手に道を切り開く。
10.雨中の乱闘

春の冷雨の中、弥十郎は荒太伯と最後に向き合う。妹の救出、父の仇、二つの手筐を巡る物語がここで収束する。
作品情報
- 作品名:斬奸必殺陣
- 作者:山本周五郎
- 朗読:七味春五郎
- 制作・出版:丸竹書房
※唄本・関連楽曲は該当なし。OTOBON Library readerおよびKindle版は現在未公開のため、読書導線は公開後に追加します。
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