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この作品を、どう辿りますか。

七之助捕物帳 第一話 生きていた小町娘
墓に入れたはずの銀釵が、なぜ町へ戻ってきたのか。小さな手がかりを音吉が持ち込んだとき、七之助の最初の本格的な御用が始まります。江戸の町をたどる探索は、やがて掘り返された墓と、閉ざされた人形師の屋敷へ――。
あらすじ
音吉が七之助へ持ち込んだのは、亡くなったお絹とともに墓へ納められたはずの銀釵でした。出所を追ううち、銀釵が質屋を経て町へ戻ってきたこと、そして妙心寺の墓が掘り返され、副葬品だけでなくお絹の亡骸まで消えていることが判明します。
七之助と音吉は、人形師の閉ざされた屋敷へ。仕事場に残るわずかな痕跡から隠し部屋を見つけ、そこで事件を大きく動かす異様な人形と向き合います。恋、嫉妬、執着が絡む謎を追いながら、七之助は父の跡を継ぐ御用聞きとして、初めて本気で事件に立ち向かいます。
登場人物
- 七之助 — 花川戸の若い御用聞き。音吉が持ち込んだ銀釵をきっかけに、初めて本格的な御用へ踏み出す。
- 音吉 — 七之助を支える若者。機転と行動力で銀釵の手がかりをつかみ、探索の先頭に立つ。
- お絹 — 亡くなったはずの小町娘。彼女の墓と銀釵をめぐる不可解な出来事が事件の中心となる。
- 善吉 — お絹の父。掘り返された墓の前で、娘を失った悲しみに暮れる。
- 君鶴 — 柳橋の芸者。人形師をめぐる恋と嫉妬に深く関わる。
- 藤兵衛 — 七之助たちとは別に事件を追う御用筋の男。
- 権作 — 妙心寺の寺男。銀釵の来歴をめぐって疑いを受ける。
- 人形師・貞山 — 精巧な人形を作る職人。その閉ざされた屋敷が事件の核心へつながる。
用語集
- 銀釵 — 銀製の髪飾り。本作では、墓へ納められたはずの品が再び町に現れ、最初の重要な手がかりとなる。
- 御用聞き — 江戸の町方で、捕物や探索を助けた者。本作では七之助が父の跡を継いで働く。
- 十手 — 江戸時代の捕方が携えた捕具。七之助の身分と仕事を象徴する小道具。
- 捕縄 — 捕縛のために用いる縄。七之助の捕物の技量を示す場面に登場する。
- 質帳 — 質屋が預かり品や取引を記録する帳面。銀釵の来歴を追う探索で重要となる。
- 常磐津 — 三味線音楽を伴う浄瑠璃の一派。物語冒頭の江戸の生活風景を形づくる。
- 副葬品 — 亡くなった人とともに墓へ納める品。銀釵が本来あるべき場所を示す鍵となる。
物語を巡る
— 五つの場面から『生きていた小町娘』を巡る —
物語を聴く
— 声で『生きていた小町娘』を辿る —
唄本を聴く
『生きていた小町娘』の作品世界を音楽でもお楽しみください。
物語を辿る
※以下は物語の展開に触れます。
一 銀釵
音吉が七之助へ渡した銀釵。それは、亡くなったお絹とともに墓へ納められたはずの品でした。あり得ないはずの品が町へ戻ったことから、事件が動き始めます。

二 武勇伝
今戸河岸で藤兵衛一味とぶつかった音吉は、腕力では敵わなくとも機転を働かせ、事件につながる手がかりを得ます。

三 御用はじめ
七之助は音吉に探索を命じます。走り出す音吉を見送る七之助にも、父の名を継ぐ御用聞きとしての覚悟が芽生えます。

四 女の謎
質屋の帳面を洗う音吉。銀釵がどこから来て、誰の手へ渡ったのか。物の来歴が人物の線をつなぎます。

五 妙心寺墓地
妙心寺の墓は掘り返されていました。しかも消えたのは副葬品だけではありません。お絹の亡骸そのものがなくなっていたのです。

六 人形師の家
数日閉ざされた人形師の屋敷へ、七之助と音吉が踏み込みます。静まり返った家の奥に、事件の核心が隠されています。

七 地獄絵――隠し部屋
外から見た家の広さと部屋の数が合わない。七之助は床の痕跡に気づき、人形棚の裏へ隠された小さな入口を見つけます。

七 地獄絵――お絹の人形
隠し部屋にあったのは、生きていた頃のお絹と見紛うほど精巧な人形。美しい造形の奥に、事件の異様な執着が浮かびます。

八 失恋鬼――君鶴を追う
屋敷から逃げる君鶴を七之助が追跡。捕縄の技で逃走を止め、ついに事件の感情的な中心人物と向き合います。

八 失恋鬼――告白
君鶴の口から語られる恋と嫉妬。人形に託された思いと、失われた関係が複雑に重なり、事件の輪郭が明らかになります。

九 桜花爛漫
事件の翌日、向島は満開の桜。言問団子を前に、音吉は七之助へ事件の謎解きを尋ねます。重い事件を越えた二人の笑いが、これから続く七之助捕物帳の始まりを告げます。
制作:丸竹書房 / 作者:納言恭平 / 朗読:七味春五郎
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