朗読作品
銭形平次捕物控 人形の誘惑
野村胡堂 →THIS WORK
この作品を、どう辿りますか。
あらすじ
本郷小町と呼ばれるお駒が殺され、版木彫りの下職・新吉の切出しが現場の証拠となった。ところが新吉には、本所で花合せをしていたことを七人が証言する強固なアリバイがある。それでも新吉は「お駒を殺したのはこの私」と自白し、さらに義兄の岩松まで同じ罪を名乗り出る。二つの自白の嘘を見抜いた銭形平次は、お仙と定吉の節分の夜の行動、そして神田明神の竹田人形小屋へ目を向ける。解けないはずの時間の壁を崩したのは、見世物小屋の裏手にある小さな隙間だった。
登場人物
- 銭形平次 — 事件の矛盾を追う御用聞。新吉と岩松の自白に潜む嘘を見抜く。
- 八五郎(ガラッ八) — 平次の子分。事件の情報を持ち込み、捜査に同行する。
- 新吉 — 二十一歳の版木彫りの下職。お駒と二年越しに言い交わしていた。
- お駒 — 房五郎の娘。「本郷小町」と呼ばれる美しい娘。
- 岩松 — 新吉の義兄。三宅島から赦免されて戻った島帰り。房五郎へ強い怨みを持つ。
- お仙 — 房五郎の後添い。お駒の継母で、定吉の母。町内でも評判のよい女房。
- 定吉 — お仙の連れ子。十九歳。お駒へ思いを寄せていた。
- 房五郎 — お駒の父。かつて岩松に罪を背負わせた因縁を持つ。
- 喜三郎 — 真砂町の御用聞。新吉を捕らえるが、解けない矛盾を平次へ相談する。
- 笹野新三郎 — 与力。番所での取り調べに立ち会う。
- 辰之助 — 町内の酒屋・越後屋の次男。お駒の入り婿になる話が進んでいた。
用語集
- 切出し — 版木彫りなどの細工に使う小刀。新吉の仕事道具が事件の重要な証拠となる。
- 花合せ — 花札を使った遊び。新吉は本所の友人宅で花合せをしていた。
- 戌刻 — 本文では午後八時として示される時刻。お仙と定吉が家を出た頃。
- 亥刻 — 本文では午後十時として示される時刻。お仙と定吉が帰宅した頃。
- 持参付の聟 — 持参金を伴う入り婿。お駒と越後屋の辰之助との縁談を指す。
- 竹田人形 — 機巧を使った人形見世物。本作では「小栗判官照手姫十二段返し」が掛かっている。
- 葭簾 — 葭で編んだ簾。人形小屋の裏手で、事件の時間の壁を崩す仕掛けとなる。
- 御用聞 — 町方の探索や捕物にあたる者。平次や喜三郎がこれにあたる。
物語を巡る
— 八枚のカードから『人形の誘惑』の謎を巡る —
物語を聴く
— 声で『人形の誘惑』を辿る —
唄本を聴く
— 『銭形平次捕物控』の世界を音楽でも —
物語を辿る
— 事件の転換点を、朗読背景の場面画像とともに —
材木置場の別れ
夕暮れの材木置場で、お駒が新吉に別れを告げて立ち去る。

お仙の誘い
湯帰りのお仙が、新吉にもう一度お駒と話すよう勧める。

岩松の怒り
岩松が房五郎への怨みと、お駒への怒りを新吉にぶつける。

節分の夜
明神から戻ったお仙と定吉が、家の異様な静けさに気づく。

証拠の切出し
新吉の印がある切出しが証拠として示され、疑いが新吉へ集中する。

八五郎が知らせを持ち込む
八五郎が平次宅へ事件を知らせ、平次が静かに耳を傾ける。

アリバイと自白の矛盾
七人の証人がいる新吉が自白したという矛盾を前に、平次が考えを深める。

岩松まで自白する
岩松までお駒殺しを自白し、事件はさらに不可解になる。

手拭が崩す嘘
平次は血の付いていない橘模様の手拭から、岩松の自白の嘘を突く。

お仙への疑い
平次がお仙から、節分の夜に定吉が竹田人形へ一人で入ったことを聞き出す。

竹田人形の小屋
平次たちは竹田人形の小屋を調べ、裏手の葭簾に秘密を見つける。

夕暮れを走る平次
真相に気づいた平次が、手遅れを恐れて三組町へ急ぐ。

解けても救えない事件
事件後、平次は真相を解いた喜びよりも、救えなかった悔恨を抱える。

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