朗読作品

有徳人殺害

野村胡堂 →
江戸で「仏与平治」と呼ばれた有徳人・寺田屋与平治が、閉ざされた離れ座敷で殺された。平次が見つけた「善根帳」を辿ると、慈善の裏に隠された支配の構図が浮かび上がる。密室の謎と、人情による裁きが交差する一篇。
銭形平次捕物控『有徳人殺害』。その善行、すべて罠。

THIS WORK

この作品を、どう辿りますか。

銭形平次捕物控『有徳人殺害』。その善行、すべて罠。
野村胡堂『銭形平次捕物控 有徳人殺害』

あらすじ

江戸で「仏与平治」と呼ばれた質両替商・寺田屋与平治が、厳重に戸締まりされた離れ座敷で殺された。窓には格子、雨戸も戸も閉ざされ、外から侵入した形跡はない。平次が調べを進めると、与平治の慈善を細かく記録した「善根帳」が見つかる。そこに並ぶ施しの記録を辿るほど、善人と称えられた男の別の顔が浮かび上がってくる。密室の謎と、恩義・支配・人情が交差する銭形平次の一篇。

登場人物

銭形平次

神田明神下の御用聞。金持ちからの付け届けや借財を嫌う清廉な男。密室の仕掛けだけでなく、事件の背後にある人情まで見抜く。

八五郎(ガラッ八)

平次の子分。寺田屋から五両を借りたことを平次に叱られる。軽口を叩きながらも、お島の境遇には強い怒りを見せる。

寺田屋与平治

質両替商。「仏与平治」と呼ばれる慈善家だが、善行の裏には人の弱みと恩義を利用する一面がある。

お島

浪人・七里金之助の妹。兄を救ってもらった恩義から寺田屋に入り、与平治の身の回りを世話している。

清五郎

寺田屋の若い手代。学問や武芸に励む実直な青年。お島を案じている。

与三郎

寺田屋の養子。派手好きで使い込みがあり、事件後に疑いを向けられる。

周吉

寺田屋の番頭。長年店を支える古参奉公人。

七里金之助

お島の兄。与平治に救われた恩と、その代償の重さに苦しむ浪人。

用語集

有徳人

財産を持ち、慈善や施しを行う徳の高い人物。本作では与平治の表向きの評判を示す。

善根帳

与平治が、誰にいつ、いくら施したかを記した帳面。善行の記録であると同時に、本作の重要な鍵となる。

御用聞

町奉行所の捜査を補助した町方の協力者。平次や三輪の万七がこれにあたる。

心張棒

戸が外から開かないよう、内側から支える棒。密室状況を成立させる重要な要素。

建仁寺垣

竹を並べて作る垣根。事件の仕掛けを解くうえで重要な場所となる。

四半刻

およそ三十分程度を表す江戸時代の時間表現。

物語を巡る

— 八つの問いから『有徳人殺害』の核心へ —

物語を聴く

— 声で『有徳人殺害』を辿る —

唄本を聴く

— 作品世界を音楽でも —

物語を辿る

— 章ごとの転換点を、朗読制作の場面ビジュアルとともに —

第一章「小判で五両」

『有徳人殺害』第一章「小判で五両」の場面イメージ
第一章「小判で五両」

八五郎が五両の小判を持ち込み、平次が厳しく問いただす場面

第二章「美しき召使」

『有徳人殺害』第二章「美しき召使」の場面イメージ
第二章「美しき召使」

閉ざされた離れ座敷を平次が調べる密室捜査

第三章「若旦那と下男」

『有徳人殺害』第三章「若旦那と下男」の場面イメージ
第三章「若旦那と下男」

寺田屋の養子や奉公人へ疑いが向かう場面

第四章「疑わしき人々」

『有徳人殺害』第四章「疑わしき人々」の場面イメージ
第四章「疑わしき人々」

寺田屋の奉公人たちへの聞き込み

第五章「善根帳」

『有徳人殺害』第五章「善根帳」の場面イメージ
第五章「善根帳」

与平治の慈善を記した善根帳が捜査の焦点となる場面

第六章「新らしい展開へ」

『有徳人殺害』第六章「新らしい展開へ」の場面イメージ
第六章「新らしい展開へ」

善行の裏側を追う平次と八五郎の聞き込み

第七章「お島の縄目」

『有徳人殺害』第七章「お島の縄目」の場面イメージ
第七章「お島の縄目」

お島に嫌疑が及び、平次が事件を見直す転換点

第八章「下手人は誰」

『有徳人殺害』第八章「下手人は誰」の場面イメージ
第八章「下手人は誰」

密室の仕掛けと事件の真相へ迫る終盤

物語を読む

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