作家記事

もう一人の野村胡堂――音楽評論家「あらえびす」

『銭形平次』の作者には、クラシック音楽とレコードを語る「あらえびす」という、もう一つの顔がありました。

読みもの · 野村胡堂

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野村胡堂という名前から、多くの人がまず思い浮かべるのは『銭形平次捕物控』でしょう。しかし胡堂は、小説家だけではありませんでした。音楽評論の世界では「あらえびす」という筆名を用い、クラシック音楽とレコードについて広く執筆しています。

岩手県立図書館も、野村胡堂を「作家・音楽評論家」と紹介し、音楽評論家「あらえびす」として活躍した人物として位置づけています。文学と音楽を別々の活動として切り離すのではなく、二つの表現世界を同じ人物が行き来していたことが、胡堂の大きな特色です。

音本倶楽部で野村胡堂を扱う意味も、ここにあります。朗読で物語を聴き、主題歌や唄本倶楽部を通して音へ進む。その導線は、偶然ではなく、胡堂自身が「言葉」と「音楽」の双方に深く関わった人物だったこととも響き合います。

参考:岩手県立図書館「野村文庫」盛岡市「野村胡堂」