作家記事

銭形平次はどう生まれたか

野村胡堂の代表作「銭形平次捕物控」は、1931年(昭和6年)、雑誌『オール讀物』の創刊期に始まりました。胡堂は依頼を受けて新しい捕物帳の主人公を考え、江戸の町を舞台に、推理と人情、そしてユーモアが共存するシリーズを育てて […]

野村胡堂の代表作「銭形平次捕物控」は、1931年(昭和6年)、雑誌『オール讀物』の創刊期に始まりました。胡堂は依頼を受けて新しい捕物帳の主人公を考え、江戸の町を舞台に、推理と人情、そしてユーモアが共存するシリーズを育てていきます。

平次を象徴する「投げ銭」の発想については、胡堂が愛読した『水滸伝』の登場人物・張清の投石の技から着想を得たとされています。十手だけではなく、寛永通宝を投げて悪人を制するという鮮明なイメージは、銭形平次を一目で記憶できる主人公にしました。

シリーズは長期にわたって書き継がれ、捕物小説の代表的存在となります。音本倶楽部では、一話ごとの事件だけでなく、平次・お静・八五郎らが作る人物世界も含めて辿っていきます。

参考:小学館「日本大百科全書」野村胡堂項、コトバンク掲載資料。野村胡堂