企画
新書太閤記 第十巻

SECTION 01
初花
本能寺からわずか一年、秀吉は明智・柴田を退け、天下の中心人物へ急浮上します。
編集人ゴンの一言
第十巻は、戦国武将・秀吉から『天下を治める人』への転換が本格化する巻です。
SECTION 02
予譲の車
戦後処理は続き、京都でも秀吉の裁決を待つ問題が山積します。
編集人ゴンの一言
勝った後の仕事量こそ、天下人の実務です。

SECTION 03
大坂築城
秀吉は大坂築城と五畿経営に着手し、新たな政治と経済の中心を作ろうとします。
編集人ゴンの一言
大坂城は単なる城ではなく、新しい政権都市の構想そのものです。
SECTION 04
中庸
家康は急激に動く秀吉とは対照的に、得たものを着実に固めながら機を待ちます。
編集人ゴンの一言
秀吉と家康の性格差が、政治姿勢の差として見えてきます。
SECTION 05
九年母
家康と近臣の会話を通じ、徳川家中の空気と将来への備えが描かれます。
編集人ゴンの一言
派手な動きがなくても、家康は常に次を考えています。
SECTION 06
同憂
三法師を中心とする織田家の体制が続く中、旧臣たちの不安と利害が重なります。
編集人ゴンの一言
形式上の織田家と、実権を握る秀吉。その二重構造が続いています。
SECTION 07
名門禍
織田信雄の不安定な判断が、家康との連携と秀吉への対立を深めます。
編集人ゴンの一言
名門の血筋だけでは政治は動かせない、という厳しさが出ます。

SECTION 08
小牧の序
秀吉と信雄・家康の対立がついに軍事衝突へ向かい、小牧の戦いの序幕が開きます。
編集人ゴンの一言
賤ヶ岳の次は家康。相手の質がまったく違います。
SECTION 09
泣虫甚内
大坂の若い家臣たちを通じ、秀吉政権の新興勢力が動き始めます。
編集人ゴンの一言
新しい政権は、新しい世代の人材で動いています。
SECTION 10
構想
伊賀上野をめぐる事件をきっかけに、秀吉と織田・徳川側の対立が公然化します。
編集人ゴンの一言
個別事件が、いつの間にか天下規模の開戦理由になります。

SECTION 11
花・ふた色
関ヶ原周辺の街道と土地を背景に、両陣営の人と情報が行き交います。
編集人ゴンの一言
後の関ヶ原を知る読者には、地理そのものが意味深く見える節です。
SECTION 12
静夜騒客
戦の裏側で、絵師や尼僧ら文化人の世界が描かれ、静かな夜に人間模様が広がります。
編集人ゴンの一言
大戦の最中にも、文化と記憶を残す仕事は続きます。
SECTION 13
さすらい人
尾張・美濃一帯の地勢が俯瞰され、戦場となる土地の構造が示されます。
編集人ゴンの一言
地図と合わせて読むと、戦いの配置が一気に分かりやすくなります。
SECTION 14
去就
木曾川流域の諸城では、どちらにつくかの判断が迫られます。
編集人ゴンの一言
戦国の国衆にとって『去就』は生死を分ける決断です。
SECTION 15
青さぎ
池田勝入とその子らの人物像が描かれ、秀吉方の重要な戦力として前面に出ます。
編集人ゴンの一言
長久手へ向かう前に、池田家の父子を知っておくと悲劇が深まります。
SECTION 16
のら息子
戦国大名家の家族や養育の記憶が描かれ、戦場外の人間関係が浮かびます。
編集人ゴンの一言
武将の家にも、親子や乳母との記憶があります。
SECTION 17
犬山・陥つ
犬山城をめぐる攻防が動き、秀吉方が尾張へ食い込みます。
編集人ゴンの一言
小牧・長久手は、まず城と川を押さえる戦いです。
SECTION 18
二つの世
家康が清洲で動く一方、秀吉は坂本にいて別の戦略を進めます。
編集人ゴンの一言
同じ戦争を、二人が別々の時間感覚で動かしています。
SECTION 19
地図屏風
秀吉は地図を前に北陸も含めた広域戦略を練り、各方面へ布石を打ちます。
編集人ゴンの一言
地図を見る力が、そのまま天下を見る力になっています。
SECTION 20
小牧山
犬山陥落後、両軍は小牧山周辺へ集まり、正面対峙が始まります。
編集人ゴンの一言
城を取っても、家康は簡単には崩れません。
SECTION 21
小牧の蝶々
春の静かな野に大軍が向かい合い、決戦前の異様な静けさが描かれます。
編集人ゴンの一言
蝶が飛ぶ平和な景色と軍勢の緊張の対比が印象的です。
SECTION 22
病める鬼
秀吉は雑談を交えながら家臣の意見を集め、家康の堅陣をどう崩すか考えます。
編集人ゴンの一言
秀吉の会議は、雑談の形をした情報収集でもあります。
SECTION 23
陣中の一花
池田家の隠密組が動き、敵地での情報収集と連絡が進みます。
編集人ゴンの一言
大軍の裏側では、少人数の秘密任務が戦局を支えています。
SECTION 24
虚実
小牧周辺では大きな戦闘を避けつつ、両軍が虚実を使い分けて揺さぶり合います。
編集人ゴンの一言
家康相手では、正面突破より『読ませ合い』が長く続きます。
SECTION 25
みだれ笹
秀吉の甥・秀次が一軍を率い、若い指揮官として戦局に加わります。
編集人ゴンの一言
後の秀次を知る読者には、ここが重要な若年期です。
SECTION 26
金扇来
長久手周辺で戦闘が激化し、家康の金扇馬印が戦場へ現れます。
編集人ゴンの一言
小牧の膠着から、ついに長久手で決定的な戦闘が起こります。
SECTION 27
薫風陣
家康は落ち着いて陣を整え、諸将を迎えながら戦場を掌握します。
編集人ゴンの一言
家康の強さは、戦場でも慌てないところにあります。
SECTION 28
山つつじ
徳川軍は地形を読み、伏兵と鉄砲・槍隊を細かく配置して迎撃態勢を整えます。
編集人ゴンの一言
地形を使う家康の戦い方がよく見える節です。
SECTION 29
達人眼
戦果を報告する諸将を前に、家康は戦況を冷静に見極めます。
編集人ゴンの一言
達人は勝っている時ほど、浮かれず次を見る。
SECTION 30
龍泉寺川
秀吉は秀次や池田父子の敗報を受け、自らの落度として戦局を受け止めます。
編集人ゴンの一言
敗因を部下だけに押しつけないところに、秀吉の総帥像が出ています。
CROSS INDEX / 辞典を横断する
SHINSHO CHRONICLE / VOLUME X
新書年代記|第十巻
第十巻は、大坂築城と小牧戦役の展開を通して、秀吉が「戦う者」から「天下を治める者」へ変わる過程を描きます。家康との駆け引きも一層複雑になります。
年代について: 小説内の流れを史実上のおおよその時期に重ねた編集用年代記です。月日を厳密に断定するための史料年表ではありません。
大坂築城
軍事拠点であると同時に、政権の象徴となる大坂城の建設が進みます。
小牧の序
織田信雄・徳川家康との対立が軍事衝突へ発展し、尾張・美濃周辺が主戦場になります。
犬山・小牧山
城と地形をめぐる攻防が続き、秀吉・家康双方が相手の出方を読み合います。
虚実の戦
正面決戦を避けつつ、交渉・威圧・情報戦が並行し、天下争いは政治戦へ深まります。