網にかかった
千両の茶釜
品川を騒がせた思いがけない発見。幸運の噂は、瞬く間に見世物へと変わっていく。
品川の浜で見つかったという黄金の茶釜。
その奇跡は、貧しい漁師を幸せにしたのか。
銭形平次が見抜いたのは、宝の値打ちだけではなかった。
品川沖、貧しい漁師・藤六の網にかかったという金の茶釜。千両もの値打ちがあると噂され、親孝行者の藤六は、茶釜と一緒に見世物にされていた。
ところがある夜、その茶釜が忽然と消える。番人夫婦が語る襲撃の顛末。お春が訴える兄の苦しみ。平次の前で、黄金の輝きとは別の真実が浮かび上がる。
―― 銭形平次人情譚『金の茶釜』
品川を騒がせた思いがけない発見。幸運の噂は、瞬く間に見世物へと変わっていく。
家族を思う青年のやさしさを、金儲けの道具にしてしまう人々。貧しい兄妹は追い詰められる。
消えた茶釜を追いながら、平次が見ようとしたものとは。真相は朗読本編で。
事件の背後にある、それぞれの思い。

神田の名岡っ引。鋭い推理と人を見る目で、事件の奥にある真実を探る。

品川の貧しい漁師。母思いの孝行者だが、評判の黄金の茶釜に翻弄される。

藤六の妹。兄を救おうと八五郎を頼り、平次へ助力を求める。

平次の子分。事件を持ち込み、兄妹の境遇にも心を寄せる。

高利貸し。茶釜の見世物に関わる金主であり、藤六一家に重い圧力をかける。
茶釜の番人夫婦。盗難の夜に何が起きたのか、その証言が事件の鍵になる。
八つの問いから、ひとつの人情譚へ。
朗読・七味春五郎。二つの映像から作品の世界へ。
作品をじっくりと味わう時間へ。
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見世物などの興行に資金を出す人。
中国に伝わる二十四の孝行譚。親を思う行いの手本として江戸でも知られた。
肩衣と袴を組み合わせた礼装。
めっきではなく、全体が金でできていること。
銅などの表面に生じる青緑色のさび。