
THIS WORK
この作品を、どう辿りますか。

半七捕物帳 地蔵は踊る
踊る地蔵が暴いたものは?
縛られ地蔵が夜ごと踊る――。安政の江戸、コロリの不安に揺れる人々は、高源寺の地蔵に救いを求めます。しかし半七が見抜いたのは、怪異ではなく、人の手で作られたからくりでした。
あらすじ
半七老人は、几董の句をきっかけに、江戸の縛られ地蔵にまつわる記憶を語り始めます。小石川の高源寺では、安政の大コロリへの恐怖を背景に、「縛られ地蔵が夜ごと踊る」という噂が広がっていました。
やがて踊らなくなった地蔵堂で、若い女が縄に縛られて発見されます。八丁堀同心の頼みを受けた半七は、子分の亀吉とともに現場へ向かい、石地蔵の下に隠された抜け道を見つけます。
地蔵が踊ったのではない。誰かが、地蔵を踊らせていた。信仰、欲、恋、恐れが絡み合い、高源寺の人々は抜け出せない深みに沈んでいきます。
登場人物
- 半七:江戸の岡っ引。怪異に惑わされず、現場の土、人物の目つき、言葉の曖昧さから真相へ迫る。
- 半七老人:明治期の語り手。若き日の捕物を聞き手に語る。
- 亀吉:半七の子分。地蔵の踊りを見物し、からくりを疑う。
- 祥慶:高源寺の住職。寺の窮状から縛られ地蔵の偽装に関わる。
- 俊乗:高源寺の若い役僧。気弱で心優しいが、お歌との因縁に苦しむ。
- 智心:高源寺の小坊主。俊乗を慕い、お歌を憎む。
- お住:門前の花屋の娘。姉お歌と寺の秘密を抱える。
- お歌:お住の姉。寺の秘密を知り、俊乗に執着する。
- 松蔵:石屋の息子。縛られ地蔵の秘密を種に寺をゆする。
用語集
- 縛られ地蔵:願掛けのために地蔵を縄で縛り、願いが叶うと縄を解く信仰。
- コロリ:江戸時代に恐れられたコレラの俗称。急激に命を落とす恐怖からこの名で呼ばれた。
- 岡っ引:町方同心の手先として探索にあたる者。
- 寺社方:寺社に関する行政・取締りを扱う役方。
- 穴熊:いかさま博打の仕掛けを応用した言葉として作中に登場し、地中から石地蔵を動かすからくりを示す。
物語を巡る
— 五つの場面から『地蔵は踊る』を辿る —
物語を聴く
— 声で『地蔵は踊る』を辿る —
物語を辿る
怪異の入口から、人の業が露わになる結末まで。章ごとの転換点を、朗読背景画像とともに辿ります。
一、俳句から始まる記憶

老半七が几董の句をきっかけに、縛られ地蔵の記憶を語り始める。
二、高源寺の踊る地蔵

コロリへの不安を背景に、夜ごと動く地蔵の噂が人々を集める。
三、地蔵に縛られた女

踊らなくなった地蔵堂で、若い女が縄に縛られて発見される。
四、半七と亀吉の現場検分

半七と亀吉は石地蔵を動かし、その下に隠された穴を見つける。
五、高源寺の人々

俊乗、祥慶、お住たちの曖昧な言葉が、寺の秘密をにおわせる。
六、墓地での追及

半七がお住を問い詰めると、小坊主の智心が物陰から現れる。
七、祥慶の告白

住職祥慶は、縛られ地蔵の偽装と、松蔵・お歌・俊乗をめぐる因縁を語る。
八、俊乗の悲劇

了哲が駆け込み、俊乗の死を知らせる。事件は静かな破滅へ向かう。
九、事件の後日譚

老半七は、お歌や高源寺のその後を語り、物語は深い余韻を残す。
制作・権利情報
原作:岡本綺堂『半七捕物帳 地蔵は踊る』。本文はパブリックドメイン作品を基に、丸竹書房の朗読・映像資産として制作。
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