朗読作品

幻の民五郎

一年追っても姿をつかめない怪盗「幻の民五郎」。銭形平次は、あまりにも揃いすぎた証拠の中に仕組まれた罠を嗅ぎ取る。怪盗・冤罪・偽装が交錯する野村胡堂の本格捕物。
銭形平次と梅屋敷、巨大な足跡と短刀が示す謎

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この作品を、どう辿りますか。

銭形平次と梅屋敷、巨大な足跡と短刀が示す謎
銭形平次捕物控「幻の民五郎」

幻の民五郎

野村胡堂「銭形平次捕物控」。一年追っても姿をつかめない怪盗と、あまりにも揃いすぎた証拠。平次は、見えている物証そのものに疑いを向けます。

あらすじ

江戸中を騒がせる、姿なき怪盗「幻の民五郎」。一年間追い続けても手掛かりをつかめなかった銭形平次のもとへ、旗本・荻野左仲の元愛妾、お紋から助けを求める話が舞い込みます。

巣鴨の梅屋敷で待ち受ける怪盗。消える因縁の短刀。巨大な泥足。そして、一人の浪人を犯人と示す決定的な証拠。ところが平次だけは、その証拠があまりにも出来すぎていることに違和感を抱きます。姿を消していたのは怪盗なのか、それとも真実そのものだったのか。

登場人物

銭形平次
神田の御用聞。一年ものあいだ姿をつかめない「幻の民五郎」を追う。

八五郎(ガラッ八)
平次の子分。終盤では平次の指示を受け、捕物の決め手となる役割を果たす。

お静
平次の女房。事件に行き詰まる平次を気遣う。

お紋
荻野左仲の元愛妾。幼い勇太郎の母。自分と息子を怪盗から守ってほしいと平次に頼む。

高木銀次郎
荻野左仲の亡妻の弟。兵法や忍術に凝る浪人で、数々の証拠から疑いをかけられる。

荻野左仲
三千五百石取りの旗本。お紋との間に勇太郎をもうける。

勇太郎
お紋の幼い息子。荻野家の跡取りをめぐる事情の中心にいる。

大沢幸吉
荻野家の用人。

三好屋の隠居
平次を梅屋敷へ案内する人物。事件の事情を知る。

大塚の重三
巣鴨を縄張りとする御用聞。

用語集

被布(ひふ)
着物の上に羽織る上着。

未刻半刻
作中では午後三時ごろ。

亥刻
午後十時ごろ。

お部屋様
大名・旗本などの側室を指す言い方。

町芸妓
町で座敷などへ出る芸妓。

食客
他家に身を寄せ、扶養を受けて暮らす人物。

高手小手
両腕を厳重に縛ること。

定紋
その家が正式に用いる家紋。

三つ葉葵
徳川家を象徴する家紋。本作では短刀の鞘に用いられる重要な意匠。

物語を巡る

— 八つのビジュアルから『幻の民五郎』の核心へ —

唄本を聴く

— 作品世界を音楽でも —

物語を辿る

— 八章の場面から事件の輪郭を辿る —

第1章 梅屋敷への招待

第1章「梅屋敷への招待」の場面
物語を辿る 第1章

満開を少し過ぎた梅の古木が立ち並ぶ巣鴨の梅屋敷へ、平次と八五郎が案内される。

第2章 お紋の密かな依頼

第2章「お紋の密かな依頼」の場面
物語を辿る 第2章

朧月の離れ座敷で、お紋は「幻の民五郎につけ回されている」と平次へ訴える。

第3章 勇太郎を守って

第3章「勇太郎を守って」の場面
物語を辿る 第3章

お紋は自らの出生と、幼い勇太郎まで危険にさらされている事情を語る。

第4章 消えた怪盗

第4章「消えた怪盗」の場面
物語を辿る 第4章

深夜、平次の寝室へ黒い曲者が侵入し、因縁の短刀を奪って闇へ消える。

第5章 揃いすぎた証拠

第5章「揃いすぎた証拠」の場面
物語を辿る 第5章

梅屋敷の大根畑から、盗まれた短刀が発見される。証拠は一気に一人の人物を指し始める。

第6章 高木銀次郎捕縛

第6章「高木銀次郎捕縛」の場面
物語を辿る 第6章

高木銀次郎は捕方に囲まれ、幻の民五郎ではないかと疑われる。

第7章 平次の疑念

第7章「平次の疑念」の場面
物語を辿る 第7章

平次は酔ったふりをしながら、お紋の前で事件の矛盾を一つずつ口にしていく。

第8章 幻の正体

第8章「幻の正体」の場面
物語を辿る 第8章

平次は最後の罠を仕掛ける。幻の正体は、夜の梅屋敷でついに追い詰められる。

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