朗読作品

落葉の隣り

山本周五郎 →
浅草の裏長屋で育った繁次、参吉、おひさ。思い込みから身を引き続けた繁次が、遅すぎた真実に直面する。恋のすれ違いと職人の矜持を描く山本周五郎の人情小説。
山本周五郎「落葉の隣り」—すれ違う繁次とおひさを描いた秋の情景

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この作品を、どう辿りますか。

作品紹介

浅草黒船町の裏長屋で育った繁次、参吉、おひさ。気弱で自分に自信のない繁次は、おひさが参吉を恋していると思い込み、自分の恋心を胸の奥へ押し込めていきます。やがて三人の関係は、言葉にしなかった想いと一人で決めつけた優しさによって、取り返しのつかない場所へ運ばれていきます。

山本周五郎「落葉の隣り」—すれ違う繁次とおひさを描いた秋の情景
山本周五郎『落葉の隣り』

あらすじ

幼なじみのおひさを想う繁次は、「おひさは参吉が好きなのだ」と思い込み、自ら身を引き続けます。ところが、おひさがかつて本当に想っていた相手は繁次でした。気づかれないまま心を諦めたおひさは、やがて本当に参吉を愛するようになります。一方、名人を志す参吉は、富豪の娘との結婚と名声を求めるなかで、職人として越えてはならない一線へ踏み込んでいきます。

主な登場人物

  • 繁次:浅草黒船町の裏長屋で育った指物職人。生真面目で思いやりがあるが、自分を低く見る癖があり、おひさへの想いを自ら封じ込める。
  • 参吉:繁次の幼なじみで蒔絵職人。才能と度胸を備え、百年後まで名の残る仕事を志すが、野心のなかで贋作へ手を伸ばす。
  • おひさ:繁次と参吉の幼なじみ。幼いころから繁次を慕っていたが、繁次の思い込みによって心を諦め、やがて参吉を愛するようになる。
  • おつぎ:神田川沿いの居酒屋で働く女性。失恋に苦しむ繁次を、事情を問い詰めずに受け止める。
  • 茂兵衛:参吉の祖父。木地職人。無口ながら腕と品格を備え、参吉を深く可愛がる。
  • 角造:おひさと増吉の父。瓦職人。酒に溺れ、家庭を不安定にする。

用語

  • 御蔵の渡し:隅田川の渡し場。三人の幼少期と、終盤の告白を結ぶ象徴的な場所。
  • 指物職人:板材を精密に組み、箪笥・机・箱などを作る木工職人。
  • 蒔絵:漆で描いた模様に金粉や銀粉などを蒔いて装飾する漆工芸。
  • 螺鈿:貝殻の真珠層を薄く切り、漆器や木工品にはめ込む装飾技法。
  • 鈴虫の厨子:作中で参吉の才能と転落を象徴する重要な工芸品。
  • 贋作:本物として通用するように作られた偽物。本作では職人倫理の核心となる。

物語を巡る

五つの場面から『落葉の隣り』を辿る。

物語の流れを辿る

御蔵の渡し、三人の始まり

御蔵の渡し近くで蟹を捕る繁次とおひさ、二人を助ける参吉
御蔵の渡し、三人の始まり

参吉への尊敬

正月の浅草を歩く繁次と参吉
参吉への尊敬

おひさの悲しみ

木工場の勝手口で悲しむおひさを支える繁次
おひさの悲しみ

薪小屋の前の誤解

薪小屋の前で寄り添う参吉とおひさを遠くから見る繁次
薪小屋の前の誤解

落葉に雨の音を聞く

雨夜の居酒屋でおつぎと向き合う繁次
落葉に雨の音を聞く

鈴虫の厨子

灯火の下で厨子の意匠を見せる参吉と繁次
鈴虫の厨子

名人の贋作

豪華な厨子を挟んで向き合う参吉と繁次
名人の贋作

遅すぎた告白

夜の川辺で崩れる繁次と静かに立つおひさ
遅すぎた告白

これからどちらへ

雨上がりの江戸の道に一人立つ繁次
これからどちらへ

Shorts / Reels

山本周五郎「落葉の隣り」Shorts用縦長サムネイル「遅すぎた、両想い」
Shorts/Reels用縦長ビジュアル

朗読

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