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この作品を、どう辿りますか。

佐々木味津三|右門捕物帖 第一話
南蛮幽霊
芝居の虎が、本当に死んだ。沈黙の同心・近藤右門が、江戸の夜に現れた“足のない幽霊”の正体へ迫る。
作品概要
『南蛮幽霊』は、佐々木味津三による捕物帳シリーズ『右門捕物帖』の一篇です。主人公は、南町奉行所配下の若き同心・近藤右門。人呼んで「むっつり右門」。口数は少ないが、鋭い観察眼と沈着な判断で、江戸を騒がす怪事件を読み解いていきます。
本作では、八丁堀の花見芝居で起きた殺人、湯島で消えた三百両、柳原土手に現れる人さらいの噂、そして南蛮渡来の玉乗りが、ひとつの陰謀へと結ばれていきます。
あらすじ
島原の乱が鎮まり、江戸にようやく平穏が戻ったころ。八丁堀の組屋敷では、春の花見の余興として「清正の虎退治」が演じられていました。ところが、虎に扮した岡っ引きの長助が、芝居の最中に本当に槍で突き殺されてしまいます。
さらに、清正と妓生を演じるはずだった坂上与一郎親子は、舞台裏で縛られた姿で発見されます。同じころ、湯島では富くじで三百両を当てた町人が、奇妙な眠気に襲われ、金を奪われていました。
二つの事件に共通する“眠り”の気配。右門は、将棋の王将駒、柳原の怪しいおでん屋、浅草の南蛮玉乗りを手がかりに、江戸の闇にひそむ一味へ迫っていきます。
登場人物
- 近藤右門:南町奉行所配下の若き同心。通称「むっつり右門」。寡黙だが、観察眼と推理力に優れる。
- 伝六:右門の手下の岡っ引き。おしゃべりで人懐こいが、探索ではよく足を使う。
- 長助:岡っ引き。花見芝居で虎役を演じるが、事件の犠牲者となる。
- 坂上与一郎:与力次席。芝居では清正役を演じる予定だった人物。
- 鈴江:坂上与一郎の娘。芝居では妓生役を演じる予定だった。
- 三百両を奪われた町人:富くじで大金を当てた畳屋の渡り職人。
- 鮫島老雲斎:南蛮研究の第一人者。右門に眠りの術の破り方を伝える。
- おでん屋の親子:柳原土手に現れる怪しい屋台の二人。事件の核心に近い存在。
用語集
- 八丁堀:江戸の与力・同心たちが暮らした町。捕物帳では町方役人の象徴的な舞台。
- 同心:町奉行所に属し、捜査や捕縛などを担った武士身分の役職。
- 岡っ引き:同心の下で探索や捕物を手伝う町人身分の手先。
- 島原の乱:寛永年間に起きた大規模な一揆。本作では事件の背景に影を落とす。
- 南蛮:江戸時代における異国趣味やキリシタン文化を示す語として用いられる。
- 王将の駒:将棋の駒。三百両紛失事件の現場に残された重要な手がかり。
- 龕燈:携帯用の灯火具。右門は眠りの術を破るために使用する。
見どころ
最大の魅力は、怪奇と推理の接続です。芝居の殺人、三百両の消失、足のない幽霊という派手な謎が、右門の静かな観察によって一本の筋へ収束していきます。
また、右門と伝六の対比も鮮やかです。右門は沈黙の中で考え、伝六は言葉と行動で場を動かす。静と動の掛け合いが、シリーズ第一話から明確に立ち上がっています。
作者紹介
佐々木味津三は、明治から昭和初期にかけて活躍した作家です。代表作に『右門捕物帖』『旗本退屈男』などがあり、捕物帳・剣戟時代小説の人気を支えた作家の一人です。
『右門捕物帖』は、岡本綺堂『半七捕物帳』以後の捕物帳の流れを受けつぎながら、むっつり右門という独自の名探偵像を打ち出したシリーズです。
朗読で聴く
YouTube本編:URL未登録
Spotify / audiobook.jp:URL未登録
関連コンテンツ
- 右門捕物帖 再生リスト:URL未登録
- Instagram「物語を辿る」カルーセル:制作済み
- 主題歌:未登録
制作・権利情報
原作:佐々木味津三『右門捕物帖 南蛮幽霊』
朗読・制作:丸竹書房 / OTOBON
本文:著作権保護期間満了作品を底本として使用予定。最終公開前に底本情報と権利状態を台帳で確認してください。
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